クルマのメンテナンスには色々とありますが、その基本であり中心は消耗パーツの交換です。近年のクルマは完成度が高まりトラブルが減っていますが、それでもドイツ車は定期的なメンテナンスをすることが前提となっています。そこでこの記事では、「初心者のための消耗パーツ講座」として前編、後編に分けて解説します。
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目次
消耗品のメンテナンス手法は大きく分けて2つある
ガイシャは故障が多い」というのは過去の話であって、高年式モデルを中心にクルマの完成度は高まっている。とはいえ、ドイツ車は手入れしながら長く乗るという思想で設計されているので定期的なメンテナンスが欠かせない。その中心となるのが消耗品の交換だ。はじめてドイツ車オーナーになった人やドイツ車に乗ってみたいと思っている人にとっては、消耗品に関するメンテナンスは気になると思う。ここでは、ドイツ車の基本的な消耗品について解説していこう。
そもそも消耗品のメンテナンスというのはドイツ車に限った話ではなく、国産車であっても定期的に交換すべきパーツはある。ドイツ車における消耗品は多いが、それらを一気に交換するわけではなく、中古車においてはすでにメンテナンスが済んでいる場合も多い。
では実際に消耗品のメンテナンスをするとなった時、大きく分けると2つの方法がある。まずはトラブルが発生する前に対処する方法。
部品の劣化を放置しておくと出先でトラブルが発生することもあり、例えばディーラーでは部品の状態に関わらず経過年数や走行距離で交換すべきパーツが定められている。さらにメカニックの判断で交換となる部品が加わるのが一般的。それゆえ、ディーラーでメンテナンスの見積りを取るとその金額に驚いてしまうが、安心して走るために予防整備を実践するのは間違ってはいない。ドイツ車のメンテナンスにおける理想とも言える手法である。
もう一つはトラブルが発生してから対処する方法。エンジン不調や足回りからの異音など症状として現れた後にメンテナンスすることになるのだが、ここで大事なのはクルマの状態を把握しておくこと。突然センサーがダメになったり、警告灯が点灯したりというケースは仕方ないとしても、エンジンがかかりにくい、エンジンの吹けが悪い、ATの変速がおかしい、エンジン、足回りなどから振動や異音がするといった予兆を感じた時に早めに修理工場で点検してもらうことが重要だ。
消耗パーツの寿命はエンジンのコンディションによって左右される
では、具体的に代表的な消耗品を紹介していこう。まず点火系では、点火プラグ、プラグコード、イグニッションコイル、サプレッサ、デスビキャップ&ローターなど。これらは、エンジンを動かすために必要な火花を飛ばすのが主な役割。火花をスパークさせるのが点火プラグ、それに備わるキャップの部分がサプレッサ、プラグコードは電流を運ぶもので、コイルはスパークを飛ばすための昇圧機だ。旧式の点火システムに備わるのが電流を分配するディストリビュータで、これにはキャップとローター部分がある。電流の流れがストップしてしまうとスパークは飛ばないためエンジンは停止する。それゆえ、点火系は交換サイクルを守ってメンテナンスすることが大事。全体的に走行5万kmくらいが交換の目安になるが、あくまでも目安なので実際は7万kmくらい持つケースもある。パーツの寿命はエンジンのコンディションにも左右される。
比較的新しいモデルに多用されているのがセンサー類。代表的な消耗品としては、クランクポジションセンサー、カムシャフトセンサー、エアマスセンサー、オーツーセンサーなど。近年のドイツ車は、電子制御化が進み各部に備わるセンサーからの情報を元に燃料の噴射量を決めたり、姿勢制御などを行っている。それが高度になるほどセンサーや電子ユニットの数が増えているから、コンピュータ診断機によるメンテナンスが欠かせないものになっている。メンテナンスとしては、センサーの不良は目視では確認できないので、実際のところエンジン不調や燃費の悪化など症状が出てからメンテナンスするパターンが多い。もちろん、予防整備しておくのが安心な方法だが、定期的にコンピュータ診断を受けてセンサーの状態を把握しておくことがトラブル予防に繋がる。
(後編に続く)
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