高度な電子制御を搭載する近年のドイツ車ではDIYメンテナンスを楽しめる部分が減っているのは事実。でも、クルマ趣味として構造がシンプルなネオクラシックモデルなどに乗っているなら、DIYメンテナンスもひとつの楽しみになります。この記事では、DIYメンテナンスをするにあって必須となる工具選びのポイントについて解説します。
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目次
DIYメンテナンスは情報収集としっかりとした準備が重要
趣味としてクルマを楽しむなら、ちょっとしたメンテナンスをDIYで行うのも面白い。ただその心構えと知っておきたいのは、作業手順や必要なパーツの発注などをしっかりと調べておくこと。初めてのDIYメンテならなおさら。バラしたけれど戻せない、バラしている途中に他の部品を壊してしまったなど、準備不足によるトラブルは意外に多い。それを避けるためにも事前の調査は念入りにやっておくこと。
そして最も重要なのが、「安全」が最優先であるということ。DIYメンテを楽しむつもりで作業をしたのに大ケガをしてしまっては意味がない。もちろんいい加減な作業をすればクルマも壊れてしまう。高価な工具にこだわるよりも、安全に楽しむためにも基本的なアイテムを準備して、作業手順をきっちり理解した上でスタートするのが正解なのだ。決して無理はせずにまずは簡単なことから始めてみるといいだろう。
DIYメンテナンスを行うにあたっての第一歩となるのが工具選び。輸入車と国産車の構造が違うように、使用する工具にも違いがある。ちょっとした手入れやメンテナンスを自分でやってみたいと思っているなら、その違いを把握しておかないと作業途中で困ってしまう場面が必ずやってくる。
輸入車用の工具の特長として覚えておきたいのが、サイズ、形状、専用ツールという3つのポイント。まずは使用する工具のサイズだが、国産車では12㎜や14㎜といったボルトを多く使っている。しかし、輸入車は13㎜、15㎜といったサイズがよく使われている。例えばメルセデスの場合は、7㎜から19㎜のサイズは揃えておきたいところ。量販店や街のDIYショップで売っているレンチセットなどは、奇数サイズが入っていないことも多いので、よく確認してから購入するようにしたい。
また、工具がなくて初めて買うような時は、少しずつ増やしていくよりも、まずは前述したサイズに注意しながらセットで購入するのがお勧め。それもできれば、4万円以上くらいの予算でちゃんとしたものを選ぶのがベストだろう。安い粗悪なツールはボルトを傷めることがあるし、やはりいいものはサビにくくて長持ちする。色々なブランドを単品で買い足して試してみるのは、その後でいい。そうすると重複するサイズが出てムダだと思うかもしれないが、10㎜や13㎜のレンチを2本持っていると、ボルトナットを締める時などに役に立つことがあるので有効だ。
クルマによっては星型のトルクスや同タイプのボルトを多用しているケースがある。例えば、メルセデス・ベンツ2代目Eクラスのクランクポジションセンサーは星型のトルクスタイプのボルトで固定されており、これを外すボックスがないと作業が先に進まない。また、センサーが装着されている箇所は手が入りにくく、ラチェットハンドルとソケットの間にロングエクステンションを使用すると、作業しやすくなる。これは輸入車に限った話ではないが、こういったケースは非常に多いので、ロングエクステンションは是非とも揃えておきたい工具だと言える。
輸入車には専用ツールがあり
プロメカニックも活用している
輸入車には専用ツールがあって、例えばメルセデス・ベンツ初代Eクラスにはカーステレオを外すためだけの工具が存在する。ナビゲーションを後付けするために車速パルスを拾うとき、電源を拾うとき、社外のカーステレオにアップグレードしたいときなど、カーステレオを外すためには必ず必要になる専用工具だ。作り自体は非常にシンプルなもので、純正カーステレオの下側にある穴に専用工具を差し込み、そのまま引き出せばOKだ。メーターを外すためのツールもあって、決められた部分に専用ツールを差し込み90度回転させてツメを引っ掛けて引き出す仕組み。自分でメーターを外せるようになれば、何らかのトラブルが起きた際にも自分でリペア業者に依頼することが可能になるから、外し方を覚えておいて損はないだろう。
ここで紹介したのはほんの一部だが、クルマによって専用工具があり、それがないと作業が先に進まないケースはいろいろとあるわけだ。
プロはSST(スペシャル・サービス・ツール)を使って、効率的かつ確実な作業を行っている。これは特殊工具であり、輸入車は国産車よりもSSTを使っての作業が指定になっている箇所が多い傾向にある。これがないと全く作業できないというわけではないが、バラす部分が最小限で済んだり、正しく組み付ける上で必要になるもの。エンジンのカムの位置決めをするためだけに、高価なSSTが必要になるケースもある。
SSTを使って正しく装着されたパーツは寿命も変わってくるので、パーツが持つ本来の機能を十分に生かすことができる。ゴムブッシュにしても装着されていればOKではなく、規定のところまできっちりと圧入されてこそ、本来の性能を発揮できるということを知っておきたい。
最近の傾向としては、ボルトが使い捨てになっている部分が増えてきている。例えば、高年式BMWのヘッドカバーのボルトは、一度外したら新しいボルトに交換しなければならない。部品と合わせてボルトも用意しておかないと、ヘッドカバーを開けたのはいいがゴムパッキン交換後にヘッドカバーを装着できなくなってしまうので注意しよう。
今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!
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