BMW

BMWのATは信頼性が高いそれだけに定期的なメンテナンスが重要

ドイツ車の中でも、BMWのATは大きなトラブルが少なく信頼性が高い。BMWは早くからATの電子制御化に取り組み完成度を高めながら進化してきた。それだけに、BMWのATはドイツ車の中でも大きなトラブルが少なく信頼性が高い。そんな性能を維持するためにも定期的なメンテナンスが重要になる。

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BMWは早い段階から電子制御化に取り組んでおり、4速、5速、6速、7速、8速と多段化を進めながら進化してきた。ステップトロニックと呼ばれる任意でのシフトチェンジが可能な機構や、MTのような操作が可能なSMGなどが備わるなど、ATでありながらもMTのように積極的にドライビングを楽しめるのが魅力。さらに近年においてはより細やか、かつ効率的な変速を実現するDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を一部モデルに搭載。走る楽しさを追求するBMWらしい魅力的なトランスミッションが登場している。
こうした現代のATは電子ユニットやセンサーの不具合などのマイナートラブルはあるものの、頻発するような事例は少なく信頼性は高くなっていると言える。
基本的な構造は電子制御の部分を除けば、トルクコンバータ式という昔ながらの機械式と同じだが、部品の耐久性は向上していて、電気的なトラブルが発生した場合に、内部の部品を傷めないように3速固定のエマージェンシーモードに入る仕組みになっているのは大きな進化ポイントだと言えるだろう。
そんな中で、中古車として人気が高いモデルで比較的目立つのがオイル漏れと電気的な不良。ATFはオイルパンや基板に繋がるカプラー部分から漏れることが多い。このカプラーからの漏れは、BMWでは対策品が出ているほど多く発生している。オイル漏れを放置すれば油圧が低下しAT内部にもダメージを与えてしまうので、早めに対処しておくことが大切だ。電気的な部分ではバルブボディに備わる基板、電子ユニット、センサーの不良などが多い。

大きなトラブルは発生していないがATF漏れが気になるところ

3シリーズをサンプルに世代別にトラブル状況を見ていこう。E30型3シリーズには、ZF製の4HP‐22EHというタイプのATを搭載。コンパクトかつ軽量な作りでダイレクトなフィールが魅力のATだが、繊細な作りゆえに雑に扱うとトラブルが発生するということがあった。当時は「ガラスのAT」とも言われたが、現在では修理が済んでいることが多くトラブルの発生率は低くなっている。E36型3シリーズには通常のステップトロニック付きのATのほかに、2ペダルMTとも言えるSMGを搭載。このSMGは初期型ということもあり、高価なユニットやポンプの不具合により変速不良を起こす。だが、SMGを搭載しているのは一部のモデルだけなので数としては非常に少ない。
E46型に進化するとステップトロニック付きのATの信頼性は大きく向上。シフトポジションスイッチの不良により警告灯が点くことがあるが、こうした電気的なトラブル以外で頻発するような事例はない。E90型でもオイルパンやATカプラー部分からのオイル漏れがある程度で、機能的に大きな影響を与えるトラブルは少ないというのが現状なのである。
そんな中で気になるのはATF漏れで、もちろんこれを放置しておくのはNG。ATFの量が不足すれば油圧が低下してAT本体にダメージを与え、大きなトラブルに繋がる可能性が高くなってしまうのでオイル漏れは早めの対策が重要。E46やE39のオイルパンはパッキンを使用した一般的なものなので定期的にゴムパッキンを交換すればいいが、E90やE60以降はオイルパンとフィルターが一体構造であるためASSY交換となる。
変速不良が起きるのはセンサーやバルブの不具合であることもあるが、定期的なメンテナンスと丁寧な操作を行なっているクルマはトラブルが少ない。走行2万㎞を目安にATFとフィルターを交換しておくことが、トラブル予防のポイントになる。
また、高年式モデルではコンピュータ診断機を使ってセンサーなどの状態を確認できるので、定期的に点検しておけばトラブルを未然に防ぐことができる。

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高年式モデルであってもATF漏れは発生する。これを放置していると油量が不足し、油圧の低下を招いてしまう。
E90やE60などの高年式モデルではオイルパンとフィルターが一体になっている。フィルターにはマグネットが付いていて汚れなどを付着する仕組みになっている。
E46やE39のオイルパンはパッキンを用いた一般的なもの。ここからATFが漏れているクルマが多いので、定期的なメンテナンスを怠らないようにしよう。

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