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BMWの弱点をカバーする対策集 Vol.1

クルマは消耗パーツを交換しながら安全に走るための性能を維持しています。それだけに定期的なメンテナンスはとても重要なのですが、パーツの寿命をできるだけ延ばしたいと思うのは多くのユーザーの本音ではないでしょうか。そこでこの記事では同じトラブルをなるべく避けるために必要なパーツの延命対策について解説していきます。

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クルマを長く維持していると弱点やどこが消耗しやすいかが見えてくる。だが、分かっていても同じようなトラブルが何度も続いたり、なぜこんなに劣化してしまうのだろうと疑問に思うこともあるはずだ。消耗品に関しては交換サイクルに準じて交換していくしかないのは事実だが、少しでも長くパーツの寿命を延ばしたいというのが本音ではないだろうか。
例えば、オイル漏れしやすいパワステホースなどのゴムホース類、腐食しやすいボディのモールなども工夫次第でパーツの寿命を延ばすことは可能なのである。言うまでもなく完璧を求めるなら純正品を使ってきっちりと整備するのがベストだ。だが限られた予算の中で、いかに不安なく乗り続けていくか考えるとこうした工夫も必要になってくる。

多くのドイツ車ユーザーの悩みであるモールの腐食。保管状態が悪いクルマは新車でも1年くらいで白くなってしまうこともあるというから、素材そのものや日本の気候が原因なのかもしれない。
この白く腐食してしまったモールを再生させる方法としては、新品交換か専用のクリーナーを使って磨くのが主流。新品交換の場合はパーツ代が高価なのがネックで、前述したように保管状態が悪いと1年くらいで再び白くなってしまう。専用クリーナーを使って磨く場合は自分でやるか、業者に依頼するかという二択となる。どちらにしても費用がリーズナブルなので多くのユーザーが実践している手法だが、新品交換同様、磨いた後にまた腐食してしまうことが多いため定期的にメンテしていくしかないのが実情だ。このように再発率が非常に高いのがモールの腐食なのである。
そこで今回紹介するのが、モールを塗装してしまうという方法。板金工場に作業を依頼することになるが、きっちりと塗装してもらえば耐久性はとても向上する。作業の内容としては、まず装着されているモールを全て外し、腐食した部分をキレイに磨くことから始まる。ボディの塗装同様にきっちりとした下地処理をするのが大切なのである。実際ここまでの作業は磨き屋などでやる腐食除去と同じ。さらにここから塗装しクリアを吹いて仕上げるのだ。車種を問わずメッキモールは表面の保護剤が薄いため、紫外線や酸性雨に加え、水道水に含まれるカルキなどが染み込みやすい。そのためすぐに酸化して腐食してしまうのである。その保護をするための塗装だと考えれば、なるほど有効な手段だと言えるのである。
腕のいい板金職人から聞いた話では、少々値は張るもののオリジナルのメッキに近いハイパーシルバーという塗料がオススメとのこと。アルミホイールにも使われる塗料なので耐久性にも優れているのが魅力だ。もちろんメッキの微妙な味わいを出すための色の調合も必要になるので、作業は技術力がある板金工場に依頼するようにしたい。ちょっとしたドレスアップ効果を狙うならボディ同色にするのも面白い。デザインの印象が多少変わってしまうかもしれないが、逆に新鮮に感じるというメリットも生まれる。いずれにしてもモール補修の決定版としての塗装。検討する価値は大きいと言える。

シルバーのメッキ調ではなく、あえてブラック系に塗装されたモール。耐久性を向上させるだけではなく、エクステリアのさりげないイメージチェンジができるのも塗装のメリットだ。

ドイツ車定番のメンテナンスポイントになっているのが、ゴムホースからのオイル漏れ。原因は経年劣化によるものがほとんどなので、漏れが発生したら交換していくしかないのだが、交換の際に検討してほしいのがステンメッシュホースである。ユーザーの認知度も高く、すでに使用している人もいるかもしれない。
ステンメッシュホースと言えばブレーキホースが有名で、様々なメーカーから販売されている。ステンメッシュタイプのパワステホースは車種ごとの設定はあまりなく、ワンオフで作ってくれるところが多いようだ。 ステンメッシュタイプのパワステホースは、ステンメッシュなら何でも良いというわけではなく、パワステフルードに適したホースでなければならない。汎用品で販売されているものもあるが、やはり実績のあるものを選ぶのが無難だ。
ブレーキホースは、パワステホースに比べると多種多様な製品が流通しているが、選び方のポイントになるのが信頼性。ブレーキという重要な部分だけにしっかりとしたものを選ばないと非常に危険だ。
ステンメッシュタイプのブレーキホースのトラブル事例をいくつか紹介しておこう。フィッティング部分の作りが悪いためにそこが割れてオイル漏れを起こしたり、フィッティングからホースがスポッと抜けてしまうという想像したくない事例もある。またワンオフで作った際の長さがいい加減で、リフトアップした時に全く遊びがないという話も聞く。これではせっかくステンメッシュにしても何の意味もなくなってしまう。
では、どうしてトラブルが起きるのか。ステンメッシュと言ってもホース部分はテフロンなどの樹脂でできていて、その周囲をステンメッシュで保護しているものが多い。ブレーキホースは高圧と低圧を繰り返しながら伸縮しているが、ステンメッシュは頑丈に作られているためゴムホースに比べて伸縮率が低いのが特徴だ。そのためダイレクトなタッチと高い耐久性がメリットとなる。だが、逆にゴムよりもねじれに対する許容範囲が狭いため、走行中に起きるねじれによりキャリパーやブレーキラインとのねじ込み部分が緩んでしまうことがあるのだ。これがトラブルの原因になるのである。こうしたトラブルを防ぐためにも、装着する際には正確性が求められるし、定期点検を怠らないなど純正以上に気を使う必要がある。それらをしっかり守れば、ステンメッシュならではの恩恵にあやかれるというわけだ。

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ステンメッシュホースと言ってもホース部分はテフロンなどの樹脂でできていることが多い。ステンメッシュはホースの拡張と、その他のパーツからの保護を目的にカバーされているものだ。

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