BMWに限らず、輸入車に多い定番トラブルのひとつがパワーウインドーの故障。構造自体は国産車と大きくは変わらないのですが、輸入車には多いトラブルとしてよく知られています。この記事ではパワーウインドーのトラブルパターンを解説しながら、その予防法とトラブルが起きてしまった時の正しい対処法について紹介します。
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目次
パワーウインドー不良の原因はレギュレーターかモーターがほとんど
パワーウインドーには大きく分けて2種類のタイプがある。現在主流なのがワイヤー式で、モーターでワイヤーを引っ張り、レールに取り付けたスライドピースを上下に駆動させている。軽量コンパクトで狭いドア内部のスペースに取り付けやすく、コストも安いことが特長だ。側面衝突に対する安全性確保のため、ドア内部に太いサイドインパクトバーを内蔵するクルマが多く、スペース的な制約の面でもワイヤー式を採用するクルマは多い。
もうひとつが、パンタグラフ式と呼ばれるもので、古めのドイツ車など一部のモデルに使用されている昔からの方式。丈夫なレールでガラスを支持しているので安定性が高いのが利点。反面、故障した場合は部品の価格が高いのがデメリットになってしまう。
どちらも窓ガラスを固定してドアの内部に取り付けられる昇降機構のレギュレータと、これを駆動するモーター部に分けられる。基本的にはこの2つで構成されているので、故障が起きるのはどちらか。希に電気系統のリレーやスイッチが壊れて動かなくなることもあるが、これは他の部品に差し替えたり、高年式車ならばテスターのエラーコードで比較的簡単に診断が可能。そのため、パワーウインドーの修理と言えば、レギュレータかモーターなのだ。
トラブルの予兆が
現れるケースもある
では実際にレギューレータやモーターにどんなトラブルが起きるのか。モーターはドア内部に水が入ってサビ付いてしまったり、モーターの動力をレギュレータに伝えるためのギアが割れてしまうというパターンが多くなっている。
パンタグラフ式のレギュレータの場合、ガラスは下側からしっかりとレールで支持されているため、安定性が高くレギュレータが故障してもドア内に落ちてしまうというケースはあまりない。
一方、ワイヤー式の場合は左右にあるレールの上をガラスを乗せたスライドピースが上下方向に動くという構造で、ガラスは点で支えられているため、故障すると窓が脱落してしまい、閉められなくなるケースが多い状況になっている。
パワーウインドーのトラブルには予兆が現れるケースも少なくない。例えば、作動中に「ギュー」と擦れるような音がするようになったら、周囲を支えているゴムの劣化が怪しい。抵抗が増しているので、そのまま使い続けるとレギュレータやモーターのトラブルに発展してしまう。窓を半開にして走っている時に、ガラスがグラグラしている感じがしたら、ガラスを支持しているスライドピースなどが緩んできている可能性が高く、レールから外れかけていることもある。
また、ウインドーが上昇している時に、前側や後ろ側だけが持ち上がって斜めになっているような状態になっていたらかなり危険だ。早急に点検しないと、窓が落ちてしまうこともある。
パワーウインドーにトラブルが起きると防犯上も困ったもので、さらに雨が降っていたり寒い時だと最悪。ワイヤー式のパワーウインドーでは動きに異常を感じたら、最悪の状態になってしまう前にメンテナンスをしておくことが重要だ。レギュレータの構造によっては、スライドピース部分だけを交換すれば済んでしまうこともある。
扱い方次第で
寿命を延ばすことが可能
このように、輸入車の弱点とも言えるパワーウインドーのトラブルなのだが、扱い方次第で寿命を延ばすことは可能だ。レギュレータに負担をかける使い方というのは、スイッチを連打したり急速な逆回転を強いるような操作。とくにワンタッチ機構が付いている場合は、上昇や降下の動作中に逆のスイッチ操作をすると、ワイヤーやギアに大きな負荷がかかってしまう。一度停止の操作をしてから、逆方向へスイッチを押すようにしたい。また複数のスイッチを同時に押すと、複数のモーターが同時に作動してパワーウインドーの回路に大きな電流が流れる。もし抵抗が大きくなって負荷が増えた状態だと過電流でヒューズが飛んだりすることもあるので、操作は一箇所ずつが基本。普段動かさない窓ほど壊れやすいという傾向もあるので、後ろの窓もたまには動かすようにしたい。ウインドーに備わる水切りゴムも劣化して硬化すると抵抗の原因になる。雨水が浸入するとサビの原因にもなるので定期的に交換しておくことも重要なメンテナンスだ。
スイッチなどの扱い方というのはクセのようなもので、自分では無意識にやっていることが多い。だが、ここで紹介したちょっとしたことを意識するだけで、パワーウインドーの寿命が延びるということは知っておいてほしい。それでも出先でトラブルが発生してしまったら、無理に動かさずに早急に修理工場で見てもらうようにしよう。
今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!
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