クルマのメンテナンスの中でも出費が大きいと言われるのがトランスミッション。この記事ではアウディに搭載される代表的なトランスミッションを紹介しながら、それぞれのトラブル事例とメンテナンスについて解説します。
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目次
年式や車種によって搭載されるトランスミッションが異なる
アウディに搭載されるATは電子制御式がメインで、一般的なトルクコンバータ式とCVTが用意されている。構造が異なるこの2つのATのトラブルと、最新のトランスミッションであるSトロニックについて解説していこう。
まずは、CVTの構造について簡単に説明すると、一般的なATではギアなど歯車の大小によって変速しているが、CVTはプーリーとベルトを使った極めて単純な構造になっているのが特長。無段階で変速していくので変速ショックがなく、電子制御によって効率的に動力を伝達することができるのがメリットだ。近年では歯車を使ったATでも7速や8速といった多段化が進み、クラッチを2つ使ったATも登場している。これは変速比の差を少なくし、CVTのような滑らかな変速を実現するための技術だと言えるのである。
ではCVTに弱点はないのかというと、そうではない。金属ベルトとプーリーによる構造は経年劣化によってベルト切れを起こしてしまうことがある。ベルトが切れると走行不能になってしまう怖いトラブルだが、発生率としてはそれほど高くはない。もっとも気をつけたいのは制御ユニットの不良で、警告灯が点灯すると変速せずにエンジンの回転数だけが上がってしまうという状態になる。一度エンジンを切って再始動すると警告灯が消えてしばらくは正常に戻ることがあるが、やはり同じような症状が再発してしまうことが多い。出先で走行不能になるのは非常にやっかいなので、警告灯が点灯したら修理工場で点検してもらうようにしよう。
新世代ATであるSトロニックにも
トラブルが発生している
一般的な電子制御式ATは大きなトラブルが少なく信頼性は高い。ただし、アウディに限った話ではないが、センサーやコントロールユニットなど電気的な不良によるトラブルが発生している。例えばミッションレンジセンサー。これはATが何速に入っているかを表示するセンサーで、不具合が起きると2速発進になってしまうという症状が出る。クワトロの場合、ミッションケースの横に付いており、ミッションマウントを外さないと交換できない場合もある。このような電気的な不良を特定できるのがテスター。オイル交換などのついでに点検しておくと、トラブル予防に繋がるのでぜひ実践してもらいたい。
新世代ATであるSトロニックのメインシャフトはインナーとアウターの2ピース構造になっていて、それぞれに偶数ギアと奇数ギアを持つ複雑な仕組みになっている。それだけにオイルによる潤滑は重要で専用のオイルが設定されている。トラブルとしては変速不良などが発生しており、メカトロニックの不良の場合は費用も高額になる。修理方法としては基本的に交換になるが、これをオーバーホールで直してくれる修理工場も出てきている。
ATのトラブルは放置すればするほど状況は悪くなってくる。一度警告灯が点灯し、エンジン再始動後に消えることがあっても早急にプロの点検を受けておくことをお勧めする。出先でATのトラブルが発生するとやっかいなので変速時などに違和感を感じたらすぐにプロに見てもらうようにしよう。
今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!
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