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A3、A4、A6などの10年落ち以上の旧世代モデルで覚えておくべき足回りのメンテナンスポイント

足回りのメンテナンスというと、ゴムブッシュやアームのボールジョイント、ショックアブソーバーが代表的ですが、車輪を支えるハブベアリングも忘れられないポイントです。新車から10年以上が経過したA3、A4、A6などの旧世代モデルでは注意が必要な部分です。この記事ではそのメンテナンスについて紹介します。

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目次

足回りのメンテナンスとして忘れられないのがハブベアリングの交換。足回りというとアームやブッシュなどの劣化に気を取られがちだが、車輪を支えるハブベアリングは重要な役割を担っている。これはホイールとともに回転をしていて、駆動輪ではベアリングの中をシャフトが通り、駆動力をハブと車輪に伝えていることからも、劣化を放置できない部分であることは容易に想像できる。また、1トンを超えるボディを支えているということも定期的なメンテナンスが必要である理由だ。
ハブベアリングには分解可能と非分解のものがあり、車種によって使われているタイプが異なる。例えば、90年代中頃までのメルセデス・ベンツのフロントハブは調整式の分解タイプ。アウター(ハブの外側)とインナー(ハブの内側)の二つに分かれていて大量のグリースが封入されている。BMWの場合は、アウターとインナーの2つに分かれているが、ボールベアリングを使用していて、大量のグリースを塗り込むことはない。一度外したら交換するしかないワンウェイタイプである。フォルクスワーゲンやアウディなどのFF車のフロント側は、ハブキャリア側にボールベアリングを使用したユニットが直接圧入されている。ここをドライブシャフトが貫通し、その先端にハブが付く構造が一般的だ。
では、ハブベアリングが劣化するとどんな症状が出るのか。ハブ内部に注入された大量のグリースやボールベアリングは、走行を続けるうちに磨耗し劣化していく。適正な潤滑がされなくなるとガタが出て、異音を発生させる。そうなると走行フィーリングも悪化して、コーナリングの感触がいつもと違ってしまうこともあるのだ。走行フィーリングが悪くなると足回りのアームやブッシュの劣化を疑ってしまうが、じつはハブベアリングが原因だったというケースも少なくないのである。また、ハブのガタが車輪の抵抗となり燃費が悪化してしまうことも考えられる。
ハブベアリングはそれだけ走行フィーリングに大きな影響を与える部分であるということを知っておいてほしい。

足回りの意外なメンテナンスポイントとなるのが、ハブベアリング。劣化すると異音が発生したり、走行安定性の低下に繋がってしまう。
ベアリングを取り外してみると、内部にグリースが詰まっているのが分かる。ここに大量のグリースが封入されている。

ハブベアリングの交換で重要なのが
クリアランスの調整

ハブベアリング早めに劣化に気づくことが重要で、ジャッキアップしてホイールを揺すったときにガタが出ていないか、異音が出ていないかを定期的にチェックしておく必要がある。走行中の異音を見極めるのは難しいのだが、タイヤ付近から速度に比例して「ゴーゴー」や「ゴロゴロ」といった音が大きくなっているようであればハブベアリングが劣化している可能性が高い。早めに修理工場に持ち込んで点検する必要がある。
ハブベアリングの交換でもっとも重要となるのがクリアランスの調整。ハブを取り付けるときにはメーカーが定める調整基準があり、例えば、100分の3ミリから100分の5ミリといった基準内で締め付ける必要があるのだ。これを無視して締め過ぎてしまうとハブベアリングやグリースが焼きついてしまったり、逆に適正に締めこまれていなければタイヤが不安定な状態になるので走行安定性が低下してしまう。安全面においても危険な状態だ。これは締め付けトルクではなく、あくまでもクリアランスの規定なのでダイヤルゲージを使って正しく調整する必要があるのだ。
この基準内のクリアランスを勘で調整するのは、どんなにベテランのメカニックでも不可能。むしろ、ベテランのメカニックほどその重要性を分かっているから、何度もロードテストをして、グリースが落ち着いてきた頃に再度確認するという。これが本当のプロの仕事だ。クルマは快適な乗り物だけれど、一歩間違えば凶器にもなる。だからこそ、整備という仕事を本当に分かっているメカニックに任せたい。

今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!

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ベテランメカニックであっても、ロックナットの締め付けはもっとも緊張する作業だという。締め付けトルクではなく、ゲージを使ってクリアランスを規定の範囲に収める。

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