クルマのメンテナンスの中心は消耗パーツの交換です。近年のクルマは完成度が高まりトラブルが減っていますが、それでもドイツ車は定期的なメンテナンスをすることが前提となっています。この記事では前編に引き続き、「アウディ メンテナンスに役立つ消耗パーツ講座」後編を紹介します。
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目次
水回りや燃料系の消耗品はできるだけセットでメンテナンスしたい
「初心者のための消耗品講座」の後編として、まずは冷却系から見ていこう。代表的な消耗品としては、ウォーターポンプ、サーモスタット、ラジエターサブタンク、ゴムホースなど。エンジンは冷却水が循環することによって最適な温度を保っている。ウォーターポンプは水を送り出すもので、サーモスタットは弁の開閉によって水の流れを調整。ラジエターは冷却水を冷やすもので、ホースで繋がれたリザーバタンクを持つ。ラジエターの両端にタンクが備わるクルマもあ
る。メンテナンスとしては、水回りはウォーターポンプ、サーモスタット、ホース類を同時に換えるなど、できるだけまとめてメンテナンスするのが効果的。水漏れを起こすとオーバーヒートの危険性が高まるため、水温が異常に高くなったら安全な場所にクルマを止めること。馴染みの修理工場に電話をして判断を仰ぐのがベストな対処法である。
続いて、燃料系では、燃料ポンプ、燃料フィルター、古めのクルマでは燃料ポンプリレーなど。燃料系の消耗品はクルマを走らせるためにも重要な部分。燃料ポンプは文字通りエンジンを作動させるために必要な燃料を送り出すもので、フィルターも備わる。主流なのはインタンク式で、リアシートの座面下にあるガソリンタンク内にセットされている。下回りにポンプが備わるクルマもある。
駆動系では、ベルト、テンショナー、プーリーなど。ベルトやプーリーはエンジンの動力を使って動いている。これによって発電機であるオルタネータやウォーターポンプが駆動しているわけだ。テンショナーはベルトの張りを保つもので、ばねを使った機械式と油圧式がある。メンテナンスのポイントとしては、ベルト回りが劣化すると異音が出る。「キュルキュル…」という音がしたら劣化の合図だ。プーリーはガタが発生することが多いので、定期的にプロに点検してもらうこと。部品代はそれほど高くはないので、メンテナンスしやすい。
予防整備がもっとも確実な手法だが部位によっては症状が出たらすぐに対処する方法もアリ
オイル漏れの原因になりやすいのが、ゴムシールやガスケット。タペットカバーパッキン、オイルハウジングガスケット、オイルパンガスケットオイルフィラーキャップパッキンなどが代表的な消耗品で、エンジンの種類によって使われる数も変わってくる。オイル漏れはメンテナンス状況や乗り方によっても変わってくるので定期的にプロに点検してもらうことが大切。にじみ程度であれば問題ないが、酷くなってきたら早めに対処すること。そのまま放置しておくと新たなトラブルの原因に繋がる。ゴムパッキンはどれも安いのできっちりとメンテナンスしておこう。
最後に足回り。サスブッシュ&ボールジョイント、ショックアブソーバー、ブレーキパッド、ブレーキローターなどが代表的な消耗品。足回りのアームやブッシュにはそれぞれ名称があるが、要はブッシュとボールジョイントによってアームが連結されている。ショックアブソーバーは路面からの衝撃を吸収するものだ。欧州車のブレーキはパッドだけではなくローターも削りなが ら制動力を得ているため、定期的な交換が必要になる。
ここまで初心者のための消耗品講座として前編と後編を紹介してきたが、予防整備は早めの交換で信頼性を高めている一方で、部品の寿命がくるまで使い切るというのはある意味エコでもある。ただし、劣化を放置したまま走り続けると大きなトラブルに繋がってしまうので、このあたりの判断は難しい。確実なのは、いつもと違うと感じたらすぐにプロに点検してもらうことが出先でのトラブルを予防することに繋がる。どちらの手法もそれぞれの特長があるが、部位によって手法を変えるという手もある。例えば、エンジン不調の原因になりやすいクランクポジションセンサー、路上ストップの危険性がある燃料系は予防整備できっちりとメンテナンスして、ブレーキを除く足回りのサスアームやブッシュは症状が出てからでも遅くはない。いずれにしても重要なのは、プロの判断を仰ぐことだ。
今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!
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