BMW

【BMW】エンジン不調の原因になりやすい部分とは?

クルマに発生するトラブルのうち、約7割はエンジン回りといわれています。制御系パーツや可動部分が多いのがその理由ですが、BMWで発生するエンジン不調の原因として多いのは、いったいどんな部分なのでしょうか。ここでは修理工場で聞いた話をもとに紹介していきたいと思います。

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目次

BMWに発生するトラブルの多くはエンジン回りだが、点火系ではイグニッションコイルの不良が定番だ。これは12ボルトの自動車用電圧から、点火スパークを飛ばすための数万ボルトという高圧電流を作り出す役割を担っている。複雑な装置ではないが、ガソリン自動車には欠かせない部品の一つである。
このイグニッションコイルには、一つないしはV型エンジンで左右のバンク用に二つを備え、ここからプラグコードで電流を運ぶタイプと、スパークプラグの真上に各気筒分がセットされているダイレクトイグニッション方式がある。ドイツ車の場合は1995年頃を境に、ほぼすべてがダイレクト式に変更されている。
イグニッションコイルのトラブルは、熱などによる劣化で内部の絶縁体が溶けてしまったり、細く巻かれた銅線が断線したりして機能しなくなるというもの。コイルの数が少なかった時代には、突然エンジンがかからなくなると「コイルが焼けたかも?」と真っ先に疑われるポイントでもあったが、ダイレクト式になってからは、6気筒や8気筒といった多気筒エンジンの場合、一つくらいダメになって火が飛んでいなくても、多少パワーダウンしたりアイドリングの振動が増す程度で、走り続けてしまうというケースも多い。そんな状態でもシリンダーには燃料が供給され続けて、未燃焼のまま排気管内に流れ出すことで触媒を傷めてしまう原因になることもある。4気筒エンジンでは、1気筒止まっただけでも大きな振動が出るのですぐにわかるが、多気筒ユニットの場合は注意しておきたいポイントだ。
熱による劣化が原因となることが多いイグニッションコイルのトラブルは、エンジンルーム内部が高温になる夏場に発生しやすい。焦げ臭いニオイが出るといったケースは少なく、突然アイドリングが乱れたり、アクセルを踏んでも加速が悪くなるといった症状に見舞われるというのがお約束だ。最新の制御を行なっているエンジンでは、こんな時にはエンジンチェックランプを点灯させて未燃焼状態のシリンダーへの燃料供給をカットしてくれるが、20年以上前のクルマではそこまでの機能が備わっているかは微妙なところ。愛車の変調には自分で気づいてやる必要があるだろう。
とは言っても、診断コンピュータに繋げばエラーコードは確実に記録されているので、滑らかなフィーリングが魅力のV8やV12ユニット搭載モデルでは、この面でも定期的なコンピュータチェックを受けることが大切である。

現在BMWのエンジンで主流となっているのが、プラグの真上にコイルがセットされるタイプ。各気筒に1つのコイルが備わるダイレクトイグニションとなっている。

トラブル発生時に考えられる
3つのチョイス

イグニッションコイルにトラブルが発生したときの対処としては、ダメになったコイルを交換するしかないが、その方法としては3つのチョイスがある。まず1つめが、不良部分のみを交換すること。イグニッションコイルはダイレクト式なら気筒数分が必要になることがほとんどで、価格は純正同等品と呼ばれるOEMを選んでも約1万円。そのため6気筒なら6つ、8気筒なら8つと一気に交換すると費用がかかる部分でもある。不良部分のみの交換であれば、費用は最小限で済むというわけだ。
しかしながら、1つがダメということは他のコイルの寿命が近いということでもある。そこで2つめのチョイスが、不良部分に加えてもう1つのコイルを交換することだ。取り外した正常なコイルは、予備として保管しておくと急なトラブルにも即対応できる。
そして3つめが、全てのコイルを交換すること。一度の出費は大きくなるが、まとめて交換しておけば当分は持つし工賃の節約にもなる。もちろん安心感も高い。
イグニッションコイルの交換はさほど難しくはないので、交換手順を覚えておくと何かと役に立つ。自分で交換できるなら、2つめのチョイスが最適だろう。出先で他のコイルがダメになっても、手順を知っていればすぐに対応できる。
DIYで交換できるようになると、パーツのチョイスも広がる。プロに依頼するなら保証が付く純正品、もしくは純正同等品のOEMが理想的だが、DIYなら格安な社外品を使うのもアリだろう。もちろんリスクはあるが、もしそのパーツがダメだったとしても、また交換するつもりで手を出すというチョイスもできる。

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1つがダメになったということは、他のコイルの寿命も近いということ。トラブルが起きたタイミングで全て新品に交換しておくと安心感が高い。もちろん、工賃の節約にもなる。

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