クルマに発生するトラブルの多くはエンジン回り。それはメルセデス・ベンツにおいても同様。ここでは世代を問わず、定番と言われる基本的なメンテナンスをトラブル事例から見ていきたい。
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目次
定番事例~その1~「アイドリング不調、エンストする」
エンジン関係のトラブルでダントツに多いのがエンジン不調。これはどのメーカーのクルマにも該当する症状で、エンジンの制御方式に違いがあっても、基本的には原因となる箇所は共通である。
エンジン不調の症状としてはアイドリングが不安定になったり、信号待ちなどでのエンスト、エンジンがいまいち吹けないといった加速不良などが定番だ。その原因として挙げられるのが、点火系、電気系、吸気系といった部分。点火系では、プラグ、プラグコード、サプレッサなどが劣化して電流がリークしてしまうことや、古めのモデルではディスビキャップ、ローターの不良が多い。ダイレクトイグニッション方式のエンジンでは、ヘッド付近に備わるイグニッションコイルがエンジンが発する熱の影響により壊れてしまうことがある。ベテランユーザーになると予備のコイルをクルマに積んでいる人も多い。出先でのトラブルには注意したい。
点火時期を司るイグナイタも突然壊れてしまうことがあり、これは非常に高価な部品。最近のクルマには搭載されていないものだが、壊れると怖い部分だけに中古品の人気も高い。ただし、中古品もそれなりに劣化が進んでいるので出先での緊急脱出用として予備を用意しておくのはいいが、長く乗り続けるなら新品に換えておきたい。またいつ壊れるか分からない不安を抱えながら乗るのはストレスが溜まるものだ。これらの点火系のパーツは消耗品だと心得よう。
イグニッションコイルやイグナイタは突然ダメになるので早めに交換するしかないが、プラグやプラグコードといった部分は定期的に交換していくことでトラブルを抑制することができる。そのためにも、オイル交換などのついでに点検やコンピュータ診断を受けておくことが大切だ。
電気系ではエンジンハーネス、メインコンピュータなどにトラブルが発生することが多い。主に経年劣化が原因なので10年、20年落ちとなるクルマはよくチェックしておく必要がある。ハーネスは被膜の劣化によりショートしてしまい、それが原因で高価なコンピュータを壊してしまうパターンが定番。コンピュータを交換したら、エンジンハーネスも同時に換えておこう。
吸気系ではスロットルアクチュエータの不良に注意。基板などの電気的な不良のほかに、フラップ部分にゴミなどが溜まり正常に作動しなくなる機械的な不良がある。吸気系のゴムホースに亀裂が入り、そこから外気を吸ってしまうことでエンジン不調に陥るケースも定番だ。ゴムホースや樹脂製のキャップなどはエンジンの熱によって劣化が進行していく。部品はそれほど高くないが、エンジン不調の意外な原因として挙げられることが多く、それを知らずに高価な部品を交換されてしまうことも。専門のメカニックに正しい診断をしてもらうことが重要だ。
定番事例~その2~「オイル漏れ」
エンジンのオイル漏れでもっとも多いのが、エンジンの一番上にあるタペットカバーパッキンからの漏れ。ヘッドカバーパッキンと呼ばれることもある。漏れたオイルが高温になるエキゾーストマニホールドに付着すると煙が発生し、またプラグホールにオイルが溜まってしまうと失火の原因になりエンジン不調を引き起こす。たかがオイル漏れと思っていると予想もしていないトラブルの原因になってしまうのだ。
直列エンジンで多いのが、エンジンヘッドとシリンダーの間にあるヘッドガスケットからの漏れ。これを放置しておくと、オイルと水が混入してしまい大掛かりな修理が必要になるから注意しておこう。
近年、多くのクルマで発生しているのがオイルフィルターハウジングからの漏れ。車種によって装着される位置は異なるのだが、メルセデスで・ベンツでも非常に高い発生率となっている。ここから漏れたオイルがプーリーやベルト、さらには足回りのゴムブッシュなどに付着すると、パーツの寿命が極端に短くなる傾向があるので、早めに対処しておくことが重要だ。
ブローバイケースやホースからの漏れも多い。液体パッキンが劣化してしまったり、ゴムホースが熱の影響で弾力を失い、亀裂が入ってしまうケースもある。オイルフィラーキャップや下回りにあるオイルパンガスケットからの漏れもメーカーを問わず多く発生している部分。
オイル漏れはにじみ程度なら問題ないが、どこから漏れているかが重要になってくる。気になる漏れを発見したらプロにチェックしてもらうなど、オイル漏れによる二次被害を防ぐためにも早めに対処することが大切なのである。
今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!
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