国産車からの乗り替えなど、輸入車にあまり詳しくない人に聞くと「ガイシャは壊れて大変」という声が多い一方、輸入車一筋というユーザーからは「意味不明な壊れ方はしないよ」と言われることが多いです。いったいこの違いは何なのでしょうか。この記事では輸入車オーナーとして知っておきたい3つのトラブルサインを紹介します。
輸入車メンテナンスが得意な工場に直接相談
▶お近くの整備工場検索はこちら
目次
「異音」「振動」「異臭」クルマからのSOSを見逃さないようにしたい
まず、輸入車においては機構的に弱い部分、外国と日本との気候や交通環境の違いによって負担がかかりやすい部分にトラブルが集中する。 こういった「定番トラブル」を故障と認識して、その都度ディーラーに持ち込んで修理している初心者と、「当たり前の手入れ」と思っていて、酷くなってしまう前にリペアなどの手を打つベテランユーザーとでは、確かに修理工場に入っている時間も出費も大きく違ってしまう。この捉え方と知識の差がクルマの満足度に繋がっているように思える。そこで重要になってくるのが情報である。パーツの構造、トラブルパターン、修理方法などの情報を持っていれば、予防としてメンテナンスすることができるし、突然のトラブルでも慌てずに済む。
まず、故障の前兆としてまず上げられるのが異音。段差を乗り越えると足回りから「ギシッ」「ゴキッ」という音が出る。アイドリング中のエンジンから「キュルキュル」というかすかな音がする。車体の下の方から「ジー」という連続音が出ている。どれも放置しておくと、走行不能になってしまうような重大トラブルに発展する危険性が高いものばかり。
他にも、窓を開ける時に「ギュー」と擦れるような音が出たり、アクセルを踏むと「ボッボッボ」と詰まったような排気音がしたりと、いつもとはちょっと違った音が出るというケースは色々とある。長くクルマを利用している人ならば、何かしら経験があるのではないだろうか。
明らかに聞き取れるくらい大きな音であれば気付かない人はいないと思うけれど、静かで快適な車内空間を実現するため遮音性が高いドイツ車の場合、普通に走っていると気付かないということも十分に考えられる。たまにはカーステレオを切って、窓を開けて風を感じながら、愛車からおかしな音が出ていないかチェックしつつ走るという習慣をつけておくといいだろう。
もし異音に気付いた時は、それがエンジンの回転に比例して出ているのか、クルマのスピードと共に変化しているか、またはステアリングを切った時、下り坂のカーブだけといったように、どんなところでどんな具合に出ているのかをメカニックに伝えると、トラブル箇所を素早く見つける手助けになるはずだ。
振動や異臭を感じたら早めに点検してもらおう
異音よりも少し進んだ状態で発生することが多いのが振動。アイドリング中にエンジンの鼓動がブルブルと伝わって来るのは、エンジンやATのマウント類、ドライブシャフトとミッションやデフの間に挟まっている緩衝ディスクなどのゴム部品が劣化して機能しなくなっている証拠。
またエンジンそのものが安定して回転していないというケースも考えられる。この場合は燃料噴射装置やイグニッションコイル、プラグなどがダメになっている可能性が高いので、そのあたりの点検が必要だ。
走行中に振動を感じる場合は足回りが疑わしい。とくに走行距離が進んでいるクルマでは、ホイールの回転を支えているハブベアリングの劣化を点検しよう。リフトアップした状態でホイールを揺すってみればガタの発生はすぐにチェックできる。またサスペンションのボールジョイントやブッシュ類も劣化が進むと振動の原因となるポイント。マフラーのハンガーゴムが切れてぶら下がった状態になっていても、走行中に振動が出ることがある。珍しいところでは、原因がなかなか特定できず、色々悩んだ末にドライブシャフトの中間部分を支えているセンターベアリングがダメになって振動していたというケースも。
いずれにしても、いつもとは違うおかしな振動を感じたら、即座に点検してもらうことが重要だ。異音とは違って、振動が出るのは既に「故障」が発生している領域。一刻も早く修理が必要なのである。
ドライバーが感じ取ることができるもう一つのトラブルサインが臭い。クーラントやオイルなど、何か液体類が漏れている場合は、臭いの種類によってそれを特定することができる。圧倒的に多いのが、ヘッドカバーなどからジワジワと漏れたオイルがマフラーに垂れて焦げ臭い臭気を発しているというケース。とくにV型エンジンでは超定番だ。これも酷くなればオイルが発火して車両火災になることも考えられる。
また排気漏れが発生して車内に入り込んでいるような時も非常に強い臭気がある。排気漏れは一酸化炭素中毒の可能性があるので、そのまま走り続けるのは危険。他にもガソリンなどの燃料類が漏れていれば発火する危険性が非常に高い。すぐにクルマを止めて、整備の専門家に点検してもらうべきだ。
また意外なほど発生することが多いのが、焦げ臭さが車内に充満したり、インパネ付近から突然煙が出たりするというトラブル。これはもう立派に故障と呼ぶべき事態だが、その多くは電気的なトラブルによるもの。レジスターと呼ばれる抵抗器が焼けてしまったり、メーターなどに使われている電子部品が熱を帯びて煙を出したりする。こういった場合、そのまま発火するということはあまりないので、事故を起こさないよう落ち着いてクルマを安全に停車させることが大切。安全が確認できれば、自宅や修理工場へ自走できる可能性も高い。まずはロードサービスなどで点検してもらおう。
今回のようなメンテナンスに関する詳しい修理方法はプロに聞くのが一番!
輸入車メンテナンスが得意な工場に直接相談
▶お近くの整備工場検索はこちら