輸入車の中でもドイツ車は、意味不明に壊れたりはしない。構造上の問題や日本の道路環境、気候の影響による、いわゆる「定番トラブル」がほとんどなのだ。それを避けるために定期的にメンテナンスしましょう、というのが基本的な考え方である。
メルセデスなどのドイツ車はこのような設計で作られているため、手入れさえすれば長く乗り続けられるのが大きな魅力といえる。それを証明する1台が、愛知県名古屋市にあるナガセ自動車で発見したメルセデス・ベンツ初代Eクラスクーペである。91年式なので26年が経過したネオクラシックともいえるクルマだが、今でも現役で活躍しているのだ。
問診・試乗・診断機
最初の見極めが大事
このクルマは、ナガセ自動車の服部氏がディーラーに在籍していた時に新車で販売したという経緯がある。同氏がナガセ自動車に移籍した後もメンテナンスなどの面倒を見てきた。走行距離はなんと39万km。20年以上におよぶ整備の記録はそのほとんどが残っており、何をいつ交換したかが確認できる。その詳細だけでも1冊のマニュアル本になるのではと思うほどだ。
こうして見ていくと、ドイツ車は長く乗れるということを改めて実感できる。そして同時に、必要なメンテナンスを最適なタイミングで行なってきたからこそ、今でも不安なく乗れるコンディションを維持しているのだ。服部氏の的確なアドバイスもあってのことだと思うが、メンテナンスをポジティブに捉えて、無理せず維持していくことが重要なのである。