■京都江東区にあるバイブリンゲンは創業35年の老舗ファクトリー。これだけ長くファンに愛されているのには理由がある。そのひとつが、創業当初からブレない整備への姿勢。直せるものなら分解してでも直す、部品が無いなら作るといった昔ながらの整備を実践してきたことだ。今ではコンピュータ診断機を使った整備が当たり前の時代になった。けれども、トラブルの原因を追求しユーザーの「どうにかならないか?」という声に耳を傾け、研究を続けることで画期的な対策パーツの開発や分解修理を可能にしてきた。
■次に紹介しているメルセデス・ベンツのコマンドコントローラーの対策シャフトやステアリングアングルセンサーを分解して直す方法など、他の修理工場ではやらないようなことも積極的に取り組んでいる。それに代表の伊藤氏は大のクルマ好き。常にユーザー側に立って整備プランを立ててくれるから、納得して任せることができる。 ■バイブリンゲンはドイツ車専門というわけではなく、輸入車全般を扱っている修理工場。イマドキの高年式モデルが中心と思いきや、クラシックやヤングクラシック世代のクルマが入庫していたり、取材時にはR107型メルセデス・ベンツSLクラスのレストアをスタートさせているなど、旧車にも強いお店。パーツの入手についても世界中を探し、往年の名車を世に送り出す。 このように旧車には旧車の良さ、高年式には高年式の良さをフラットに感じさせてくれる。そういった姿勢もファンに愛されている理由になっているのだろう。