それだけに、ちょっと意地悪な見方をすると、「ナンパな店?」と思ってしまいがち。だが、実は代表取締役の川崎氏はレース畑の出身で、国内最高峰のフォーミュラマシンのメンテナンスを経験してきた人物。その後、ディーラーのサービスマンを経て独立したという、一線級のメカニックなのである。
そんな川崎代表が自分の城を構えるにあたり最初に考えたのが、「現代の整備工場はコンピュータ診断が当たり前。まずはそこを充実させよう」ということ。実際、カインズには珍しいランドローバー用を筆頭に、各メーカー用のテスターや汎用の診断機がずらりと揃う。こんなにあってどうするのだろう……という誰もが思う疑問に対しては、「複数のテスターで診断してみると、トラブルの原因を徹底的に追えるんですよ。誤診が少なくなると言いますか。それに、各テスターによって得意分野が違ってきますから」との答え。
正確な診断の下に修理の方向性をオーナーと相談して決めるのが、カインズの方針である。
まだ若いショップらしく、社外品を使った分解修理にもフレキシブルに対応する。某ディーラーでエンジン乗せ換えを宣告された不動車を、持ち前の技術と柔軟さでエンジンをオーバーホールし、復活させたこともあるそう。
ただ、社外品の中には粗悪な物も少なくないため、信頼できるパーツを選んでいること、そして修理保証を付けることまで含めると、「インターネットで見かける最安値みたいなのを期待されるのは困る」と正直に言う。もちろん部位によっては純正部品が良い場合もあり、これまでの経験からその線引きを行っている。
便宜的にここではショップと紹介しているが、取材当日は売約済みのディフェンダーとミニクロスオ―バーがあるのみで、販売用の車両は一台も展示されていなかった。
聞けば、「個人的に販売が中心っていうのはちょっと違うかなって気持ちが強くて、整備をメインにやらせていただいてます」とのこと。ナンパな店風(失礼!)なのは、修理だけのお付き合いではなく、「ふらっと気軽に立ち寄って欲しい」から。その実、筋の通った実力派の工場なのである。
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最近多い修理事例
代表モデル:M・BENZ 2000年頃のモデル
メルセデスと言えばエバポレーター、ブロアレジスターのトラブルがお約束だが、2000年頃のクルマはそろそろコンプレッサー自体がダメになっていることも。エンジンの回転数に同調する異音がしたら疑わしい。
たえず圧力が掛かるゴム製のエアバッグは経年劣化により亀裂が入り、エア漏れを引き起こす。放っておくと他の部分にまで被害が及ぶので、定期的にコンピュータ診断を受け、状態を把握しておくのがベスト。
エアマスもまた定番のトラブル箇所。これは診断機で特定できるので、エラーが出るようなら交換を。純正新品は10万円級なだけに多くの社外品が出回っているが、信頼のできるメーカーのものを使いたい。
嬉しい愛車無料診断キャンペーンを実施!
電子制御が当たり前になった現代のクルマをメンテナンスするには、コンピュータ診断が不可欠。診断機は目に見えない、体感できない不調や、その予兆を特定してくれ、効率的な整備を可能にしてくれる。もちろん工賃のかかる作業でカインズでは通常1回5,000円が基本料金なのだが、現在特別キャンペーンの実施中で、何と無料で診断してもらえるのだ。車種によってはテスターに対応していない、あるいは時代的にコンピュータ制御ではないこともあるため、詳細は同店に問い合わせを。愛車の現在の状態を把握する、またとないチャンス!