現在もヤナセと太いパイプを持つことから、最新車両の整備情報などに困ることはなく、かつディーラーの指定工場では無いので幅広い車種と整備アプローチに対応していることが特徴といえるだろう。
例えば、並行輸入車などの整備も受け付けているし、純正パーツ以外のサードパーティパーツを使用した整備も積極的に行なっている。結果として、ディーラーよりもリーズナブルな整備を可能にしているファクトリーでもあるのだ。
ディーラー並みの施設にディーラー以上の対応力を持つ田中自動車。ここのもうひとつの特徴となるのが、高度な技術力を持つ工場を2つ持っていること。本社工場は先に述べた江戸川区の東松本に位置するが、ハイテックセンターと呼ばれるもうひとつの工場が鹿骨にある。このハイテックセンターは、かつてメルセデス・ベンツ専用の工場として稼働していた場所で、その流れもあって現在もメルセデス・ベンツの整備に精通したメカニックが常駐しているファクトリーだ。
また、このハイテックセンターでは、エンジンのオーバーホールといった重整備も実施されるところで、取材日にはジャガーのEタイプのエンジンがバラされているところであった。ATのオーバーホールなどは外部の専門業者に委託するそうだが、AT本体の脱着やバルブボディの脱着などは自社で行なう。また先にも述べたとおり、エンジンのオーバーホールは、ボーリング加工などを除き自社で行なうのが基本となっている。
このように最新の整備アプローチも行ないながら、伝統的な分解整備も実施している田中自動車。1970年に創業し今年で47年目を迎える同社を仕切るのは、御年73歳の田中次之代表だ。ひとつひとつの仕事に誠心誠意取り組むことを社訓にもしている人物でもある。
同社は高度な技術力を持つことに加えて、真面目な仕事への取り組みが評価され、老舗の整備工場として長い歴史を持つまでに至っている。当たり前の仕事を真面目にこなす誠実な整備工場が、田中自動車というところなのである。
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最近多い修理事例
代表モデル:M・Benz&VW
メルセデスのM272とM273エンジンのインマニに備わるタンブルフラップの樹脂リンケージが割れなどが生じやすい。アルミ素材の対策品に交換することで、タンブルフラップ故障から開放される。
フォルクスワーゲンのゴルフⅣで増加傾向にあるトラブルがバルブボディの作動不良。ATのASSY交換ではなく、バルブボディ単体の交換で完治することが多く、リペア部品が流通している。
オイル漏れやサスペンションブッシュの交換、樹脂やゴムパーツの交換などは国産車よりも多いといえるのが輸入車の整備。それらの劣化状態を正しく把握し、適正なタイミングでの交換を行なっている。
コストパフォーマンスに優れるバルボリン
ファクトリーの常備オイルとしては、多くの輸入車に対応していることとリーズナブルな価格ということから、バルボリンの合成油をチョイスしている。もちろん事前に予約をすれば、このバルボリン以外のオイルを仕入れることや持ち込みなども可能となっている。また主要なフィルター類のストックも多いため、オイル交換などのクィック整備も対応している。また、工場の予約状況などは田中自動車のWEBサイトで確認できる。代車等を依頼する場合も予約が必要なため、事前に電話かメールなどで確認することをお勧めする。