FEATURE 輸入車整備特集

ウチの強みはココ

現行型から並行輸入車まで
あらゆる輸入車を直す老舗ファクトリー

東京都 | バイブリンゲン
FACTORY DATA
バイブリンゲン
所在地 東京都江東区新木場1-8-2
電話 03-3522-0771
HP http://www.waiblingen.co.jp/
営業時間 10:00~19:00
定休日 年中無休
車検基本料金 問い合わせ円
代車 有り(無料・要予約)
得意なメーカー 輸入車全般

3つの技術の融合が
バイブリンゲンの強み

 JR京葉線、東京メトロの有楽町線、そして東京臨海高速鉄道のりんかい線が乗り入れる新木場駅。ここから徒歩で約10分という場所に位置しているのが、老舗のスペシャルショップとして有名なバイブリンゲンだ。3つ路線が乗り入れる新木場ゆえ、電車で行くにも非常に便利なところなのだが、湾岸線沿いという場所柄、神奈川や千葉方面からも非常にアクセスしやすい。

  • 国産・輸入車を問わず、あらゆるクルマの整備を受け付けているのがバイブリンゲン。かつては並行輸入車の販売を手掛けていたこともあるため、並行輸入車の整備も請け負ってくれる。 
  • エンジンのオーバーホールといった重整備も得意としている。
  • またオーバーホールではなく、リビルド対応も可能。
  • 旋盤や溶接機など、工作機械も充実しているため、加工装着なども得意としている。作業しているのは前川メカニック。
 クルマのことなら全てお任せできるバイブリンゲンだが、その真骨頂は何と言ってもハイレベルな技術を提供している整備だ。かつては積極的に並行輸入を行なっていた同社だけに、現在でも車種を問わずあらゆるクルマの整備を請け負ってくれる。そのため工場内には、メルセデス・ベンツの190E2・5‐16エボリューションⅡなど、非常に希少なモデルも頻繁に入庫するファクトリーなのである。つまり、その高度な整備テクニックに惹かれ、数多くの輸入車マニアがこのバイブリンゲンを訪れているのである。
 加えて、近年は現行型の輸入車整備も積極的に行なっており、それらの点検・整備の実施だけで月に100台を超えるほど。そのため最新のコンピュータ診断機が充実しており、多くの現行型の輸入車整備に対応している。
 最新の整備ツールを積極的に導入し、現行型の整備を数多く行なっているバイブリンゲンだが、実は昔ながらのアナログな整備も得意としている。取材時、初代ポルシェカイエンのオイル漏れ修理でヘッドガスケット交換を実施中であった。エンジンベイが狭いため、左右のVバンクに備わるヘッドガスケット交換を行なうには、エンジンとミッションを同時に降ろす作業が伴う。こういった地道な分解整備も得意としていることに加えて、最新の整備ツールを使った今流の整備アプローチを積極的に行なっているからこそ、新旧問わず、さらにはメーカーを問わず、あらゆる輸入車の整備を可能にしているのだ。
月に100台以上の点検・整備を実施しているバイブリンゲンでは、若いメカニックが積極的に活躍している。フォルクスワーゲン・トゥアレグのハブベアリングを点検していたのはメカニック歴2年の中島辰也氏。

  • 各メーカー専用のコンピュータ診断機をはじめ、数種類の診断機を使い分けているバイブリンゲン。高年式モデルの入庫が多いため、それに対応するための設備が整っている。
 また、弱点を補強するオリジナルの修理技術を確立していることもバイブリンゲンの強みのひとつ。その筆頭が、高年式のメルセデス・ベンツに採用されているコマンドコントローラーに、対策品のシャフトを独自にリリースしていること。ここは樹脂製のシャフトが割れるトラブルが頻発しているのだが、同社ではオリジナルの金属製対策シャフトに交換。これによりトラブルはほぼ再発しないというから、使わない手はない。伝統的な整備技術と最新のコンピュータ診断機を使った故障診断やコーディング、さらにはオリジナルの修理技術の提供という、3つの技術力の融合がバイブリンゲンの強みなのである。
コマンドコントローラー対策シャフト
メルセデスW204型のCクラスで採用されて以降、メルセデスの操作アクションツールとなっているコマンドコントローラー。これを支える樹脂製のシャフトは割れなどが生じやすく、操作不能に陥るというトラブルが続出している。バイブリンゲンではこれを防ぐために金属製のシャフトを独自に製作している。金属製なので割れなどが発生することがないため、この対策シャフトに交換することで完治できる。費用はパーツ単品(詳細な交換指示書付き)で8,000円程度、バイブリンゲンで交換を行なう場合は2万円程度となっている。
純正のシャフトは樹脂製であるため、割れなどが生じやすい。バイブリンゲンでは金属製のパーツを独自に製作している。
バイブリンゲンを仕切るのは二代目の社長兼メカニックである伊藤良一氏。現行型の輸入車整備も非常に多いため、最新のコンピュータ診断機も積極的に導入。加えて、古めの輸入車整備も得意な敏腕メカニックである。
最近多い修理事例
代表モデル:ポルシェ/BMW/M-Benz
1 ヘッドガスケット交換
取材時に入庫していたのは初代のポルシェ・カイエン。ヘッドガスケットの劣化でオイル漏れが発生しており、その交換作業を実施していた。このカイエンはオイル漏れや水漏れ修理が多いとのこと。
2 ブッシュの打ち換え
E46型のM3で実施していたのは、リアのサスペンションアームに付くブッシュの打ち換え。サスペンションブッシュの劣化を見極める診断とスムーズな交換ができる高い整備力を持っている。
3 ABCの油圧ホース
最近多いのがメルセデスの油圧サスペンションであるABCトラブル。ダンパーユニット本体ではなく、油圧システムの一部に使用されているゴムホースが劣化し、そこからのオイル漏れが頻発している。

ヘッドガスケット交換を行なう場合、エンジンとミッションを降ろさなければ、ガスケットの脱着ができない。

サスペンションブッシュの交換は、ほぼ全ての輸入車に多いといえる作業。打ち換え作業により費用の抑制に繋がることも多い。